第23回離婚弁護士コラム 旧姓?結婚時の姓? 離婚時に旧姓に戻すメリット・デメリットを解説

前回のコラムでは、離婚時に苗字がどうなるのかについて基本から解説しましたが、旧姓に戻すか結婚時の姓を継続して利用するのかは悩みどころ。今回のコラムでは、旧姓に戻す場合のメリット・デメリットを解説したいと思います。

 

離婚時に旧姓に戻すメリット

過去と決別し、キレイさっぱり新規スタート

法律上、離婚すると、特別な手続きをしなければ、旧姓に戻すことを原則としていることからも、離婚したのに相手方の姓を名乗り続けるのは不自然であり、過去とは決別し、気持ちを新たに切り替えるためには、旧姓にもどすのが適していると言えます。特に、相手に強い嫌悪感を抱いて離婚したような場合に、そのまま相手方の姓を名乗るのは苦痛という方も多いため、旧姓に戻される方が多くなります。

 

離婚の事実を察してもらえる

婚姻時に苗字を変えた人が旧姓に戻っていたら、離婚の事実を伝えなくても、周りは察してくれるため、いちいち事情を話さなくても伝わることが多くなります。離婚の事実を周知するのは、意外と手間がかかり、また精神的な負担もかかるため、後々大きな負担軽減となります。

 

自身の家族が協力的になってくれる

離婚後旧姓に戻すと、自身の家族にとっては「家に戻ってきた」という意識が強くなり、親身になって協力してくれる可能性が高くなります。離婚後の生活では、何かと不安に思う場面も多くなりますが、実家などの積極的な協力が得られると心強く感じます。

 

離婚時に旧姓に戻すデメリット

名義変更手続きが面倒

運転免許証やパスポート、クレジットカードや携帯電話など、公的な記録の名義や契約上の名義など、多種多様な名義変更手続きを行う必要があります。名前は様々な手続きで、主体を特定するためにほぼ必須となることから、相当数の名義変更手続きが必要になり、特に仕事などをしている方にとっては、昼の時間帯に時間をとることが難しかったりと非常に大きな負担となります。

また、子どもがいる場合に、その子の姓も自身の旧姓に変更するには、「子の氏の変更許可申立て」という手続きも必要になります。

 

子どもへの心理的影響を考慮

子どもの姓を、旧姓に揃えるとなると、名前が変わることに戸惑い心理的に負担となることがあります。また、学校の友達にも「親が離婚した」という事実が伝わるため、そのことをからかわれたり、周りと比べて引け目を感じるケースもあります。離婚についてもそうですが、子どもの姓を変える場合には、心理的影響を考慮し、よく話し合い、ケアを怠らないように注意したいところです。

 

知られたくない人にも離婚の事実が知れ渡る

「言わなくても離婚の事実を察してもらえる」というメリットの裏返しでありますが、姓が旧姓に戻っていると、離婚の事実を知られたくない人に知られるというデメリットがあります。

結婚観が多様化している現在では、複数回、結婚・離婚を繰り返すという方もおり、その度に姓が変わっていると、まわりから「また離婚したの?」と好奇の目で見られる可能性も高まります。

 

おわりに

いかがだったでしょうか?今回のコラムでは、離婚時に旧姓に戻す場合のメリット・デメリットを解説しました。次回のコラムでは、離婚後も結婚時の姓を継続利用する場合のメリット・デメリットを解説したいと思います。

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