第25回離婚弁護士コラム 離婚届の証人は誰に頼むのが正解?証人を頼める人がいない場合は?

離婚を考えている方や離婚届を記載している中で、離婚届の「証人」を誰に頼むべきか悩む方も少なくありません。今回のコラムでは、離婚届けの証人は誰に頼むべきか、そもそも離婚届の証人には誰がなれるのか等について解説したいと思います。

 

離婚届には証人が必要

夫婦の話し合いによって離婚する協議離婚の際には、離婚届を作成し、提出する必要がありますが、その離婚届を作成する際には、証人が2人必要とされています。

協議離婚は、調停離婚や裁判離婚とは異なり、裁判所の関与なく、夫婦の合意のみで離婚することが可能なため、その合意によって作成された離婚届けが当事者の意思によって作成されたものであるということを担保するために証人を要求しています。

 

離婚届けの証人になれる者

離婚届の証人は、成人している者であれば、誰でもなることができます。外国籍の方でも問題はありませんし、自身の親や兄弟はもちろん、子であっても成年に達していれば証人になることができます。

成年の年齢は現在は20歳とされていますが、2022年4月1日から施行される改正法の下では、18歳以上となります。

証人というものの性質上、当然、離婚の当事者はなれませんので注意が必要です。

また、証人は2人だからといって、離婚当事者双方が1人ずつ選ばなければならないというようなことはなく、とにかく証人が2人いればそれで問題はありません。

 

証人になった場合のリスク

証人になった場合には、証人として署名・捺印が求められるため、証人を頼まれた側としては、どのようなリスクがあるのか気になるところです。

結論から言いますと、証人になったからといって、離婚に関する何らかの法的責任が発生するということはありません。

離婚届けの証人は、単純に、当事者の離婚の事実を確認・証明する者というだけであり、特別な法的責任を伴うものではないからです。ただし、例えば、虚偽の離婚届の作成に証人として協力したような場合には、私文書偽造に協力したとみなされ、法的な責任が発生するケースもあります。

 

離婚届の証人は誰がなることが多いのか

離婚届けの証人は、成年に達した者であれば誰でもいいのですが、両親や友人が証人になるケースが多いように思います。

両親が既に他界していたり、離婚に反対されているなどにより協力を求めづらいような場合には、離婚を相談していた友人や他の親族に依頼するケースも多く見られます。

 

証人を頼める人がいない場合

周りに証人を頼める人がいなかったり、また、「身内や友人に離婚の事実を知られたくない」という方も少なくありません。

そのような場合には「離婚届証人代行サービス」などの業者を利用するという手段があります。業者なので数千円程の費用はかかりますが、身内や知人に頼れない、頼りたくない場合には、選択肢として有効です。

また、離婚についての手続きや、離婚時の公正証書の作成を弁護士に依頼していたような場合には、そのまま弁護士に証人を依頼するという方法もあります。

 

おわりに

今回の離婚弁護士コラムでは、離婚届け作成の際に必須となる証人について解説しました。離婚届の証人が特別な責任を負うことは基本的にはありませんので、身近な人に頼むのが正解と言えます。

何らかの事情で頼めない、または、頼みたくない場合には、専門の業者や弁護士に相談することをオススメします。離婚協議の段階から手続き等を弁護士に依頼しているような場合には、そのまま弁護士に証人も依頼するのが最も簡便でスムーズかと思います。