第27回離婚弁護士コラム 離婚後に再婚ってすぐできるの?再婚禁止期間について解説

離婚後に素敵な方に出会い、新しいスタートとして再婚したいと思う方もいらっしゃるかと思いますが、「離婚後にすぐ再婚していいのか?」という疑問も同時に浮かんでくるのではないでしょうか。今回のコラムでは、再婚禁止期間について解説したいと思います。

 

男性については再婚禁止期間はない

離婚をされた方が男性の場合は、再婚するのに法律上の制限は特になく、離婚後にすぐ再婚することが可能です。極端な例ですと、離婚した翌日に再婚したとしても、法律上、問題はありません。

 

女性には再婚禁止期間がある

女性には再婚禁止期間(待婚期間)というものが法律上定められており、離婚から100日経過しなければ、再婚することはできません。ですので、再婚禁止期間中に、市役所などに婚姻届を出しても受理してもらうことができません。

 

(再婚禁止期間)
民法第七百三十三条 女は、前婚の解消又は取消しの日から起算して百日を経過した後でなければ、再婚をすることができない。

 

再婚禁止期間が設けられた理由

なぜ女性にだけ再婚禁止期間が設けられているのでしょうか。一言で説明すると、生まれてくる子どもの父親が誰であるかを明確にするためです。

子どもが生まれた際、母親が誰であるかは、子は母親から生まれるため一目瞭然ですが、父親が誰であるかは、DNA検査等をしなければ、断言することはできません。

そこで法律では、生まれきた子の父親を決めるために、推定規定というものを設け、生まれた期間毎に誰が父親であるか定めています。

しかし、その法律上の推定規定では、「離婚後300日以内に生まれた子」は前夫の子どもと推定される一方、「婚姻後200日経過後に生まれた子」は現夫の子と推定されるため、推定期間の重複を避けるために再婚禁止期間の100日が設けられているのです。

 

(嫡出の推定)
民法第七百七十二条 妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子と推定する。
2 婚姻の成立の日から二百日を経過した後又は婚姻の解消若しくは取消しの日から三百日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する。

 

ちなみに、「推定」とされているのは、おそらく父親だと思われることから、一応父親としておくが、絶対に父親であるとは言い切れないので、DNA検査等で覆る余地があるということを意味しています。

 

再婚禁止期間の例外

再婚禁止期間中でも、再婚が例外的に可能となるケースがいくつかあります。

1.離婚したときに前夫の子を妊娠していなかった証拠がある場合
2.離婚前から妊娠していた子を離婚後に出産した場合
3.離婚した前の夫と再婚する場合
4.生理的に懐胎できない場合(子宮を全摘出、高齢など)
5.夫の生死が3年以上不明で裁判離婚した場合など

誰が父親であるか明確な場合や、そもそも妊娠が不可能な場合には、再婚禁止期間を設ける必要がないため、上記のようなケースでは、例外的に再婚禁止期間であっても再婚が可能です。

 

再婚禁止期間に違反した場合

再婚禁止期間中に婚姻届を提出しても、基本的に受理されませんが、誤って受理されてしまう場合もあります。仮に、余って受理されたとしても、法律違反として罰せられるというようなことはありませんが、子が実際に生まれた際に、その子を現夫の子として戸籍を変更するために、裁判所に対して嫡出否認の訴えや親子関係不存在確認の訴えを提起するなどの手続が必要になるなど、面倒な手続きが発生する危険性がありますので注意が必要です。

 

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