第32回離婚弁護士コラム 気になる離婚慰謝料の相場について

前回のコラムでは、離婚慰謝料がどのような場合に請求できるのかについて、基本的な事柄から解説しました。では、「離婚慰謝料って一体いくらなの?」と気になる方も多いのではないでしょうか。今回のコラムでは、離婚慰謝料ってどのくらい請求できるのか、相場について解説したいと思います。

 

離婚慰謝料についての合意がある場合

離婚の際には、まず夫婦間で離婚について協議されることになるのが一般的ですが、その際に、慰謝料についても話し合われるのが通常です。そこで慰謝料としていくら支払うのかについて、夫婦お互いが納得し、合意に至れば、その金額が慰謝料の額になります。

離婚や離婚慰謝料の問題は、夫婦間の問題なので、その夫婦が互いに納得し、合意すれば、特に法律が介入する必要はないからです。

離婚慰謝料で問題となるのは、夫婦間での合意が得られない場合です。

 

離婚慰謝料の基本的な考え方

そもそも慰謝料は、相手の不法行為によって受けた精神的損害に対する賠償金です。この慰謝料がいくらになるのかについては、法律で明確に定まっているわけではなく、個々の事案ごとに、相手の不法行為の侵害態様や受けた損害などを総合的に判断し、金額を決定することになります。

離婚慰謝料についても同様で、離婚原因を作った相手の行為のとそれによって生じた精神的損害を総合的に判断し、金額が決定することになります。

つまり、相手の責任の大小や、被る精神的被害の大小等によって、慰謝料の金額は大きく変動することになります。

離婚慰謝料の額が最終的にいくらになるのかついては、裁判所の判断によって決まりますが、蓄積された裁判例から、ある程度の相場は決まってきます。

 

離婚慰謝料の相場

離婚時の慰謝料の金額は、離婚原因を作った相手の行為等の内容や程度、結婚期間、双方の収入、子の有無などを総合的に考慮して決められますが、一般的には100万~300万円という金額をベースに内容によって増減することが多いと言えます。

ただし、相手に資産や資力がないからといって、慰謝料がゼロになるということは基本的にありません。逆に1000万円を超えるような慰謝料が認められるケースもほとんどありません。テレビのニュースなどで、芸能人などが多額の離婚慰謝料を支払っているケースなども見られますが、それはかなり特殊なケースと言えます。

 

離婚慰謝料の判断材料

離婚慰謝料を算出するためには、様々な事情を考慮して計算されます。

離婚原因がなんだったのか、相手方の帰責性の程度、精神的苦痛や肉体的苦痛の程度、婚姻期間の長さや年齢、子の有無、相手方の資力・資産・地位など、様々な要素が考慮されます。

一般的に、不倫・浮気やDV・暴力など、相手の責任が明確でわかりやすいケースでは、その事情が慰謝料算定に直接反映されやすく、高額になりやすい傾向にあります。逆に、モラハラ等が離婚理由の場合には、その程度・種類にもよりますが、一般的に上記の不倫やDV等より額が低く算定されるケースが多くなります。

 

離婚慰謝料を詳しく知りたい方は弁護士へ相談

慰謝料のおおよその相場というものはわかりますが、個々の案件で実際に慰謝料がいくらになるのについては、弁護士や裁判官などの専門家による数多くの案件を行ってきた経験から導き出されるものですので、実際の詳しい金額は、事情を弁護士等に相談してみないとわからないのが実情です。慰謝料について詳しく知りたい方は、一度専門の弁護士に相談にされるのをお勧めします。

当事務所でも、長年多くの離婚案件に携わってきた離婚問題に強い弁護士が在籍しております。初回無料にて相談を受けておりますので、離婚慰謝料についてお悩みのある方、いくら慰謝料を貰えるのか知りたいという方は、お気軽にご相談ください。