第43回離婚弁護士コラム 離婚後でも慰謝料請求ができる? 離婚後に慰謝料請求する方法

離婚慰謝料は、離婚時に取り決めをするのが一般的ですが、「離婚後に相手の浮気・不倫を知った」などの理由から、離婚後に慰謝料を請求したいというケースがあります。また、「1分1秒でも早く相手と離婚したい」、「相手となるべく関わり合いたくない」などの理由で、慰謝料について取り決めをせずに離婚してしまったけど、後から思い直すと、「もらえる慰謝料はもらいたい」というケースもあります。今回のコラムでは、離婚後に慰謝料請求をする方法について解説したいと思います。

 

離婚後にも慰謝料請求はできるのか

離婚慰謝料については、一般的に、離婚時に取り決めを行うケースが多いですが、法律上、離婚と同時に請求しなければならないという決まりはありません。

ですので、離婚後であっても、原則として、慰謝料請求することは可能です。

しかし、離婚後に慰謝料を請求する際には、いくつか注意しなければならない点があります。

 

慰謝料の請求には時効がある

慰謝料請求には時効があり、時効が完成してしまうと慰謝料請求する権利が消滅してしまうため、慰謝料の請求はできなくなります。

慰謝料請求の時効は、損害及び加害者を知ったときから3年となり、通常であれば、離婚成立時から3年で時効になります。

例えば、相手の不倫の事実を知っていて離婚した場合には、離婚時から3年で時効になります。しかし、相手の不倫の事実は知らずに離婚し、離婚後にその事実を知った場合には、不倫の事実を知ったときから3年の時効になります。

仮に時効にかかっていないとしても、時間の経過とともに、証拠が散逸したり、記憶が曖昧になってくるおそれがありますので、離婚後の請求は早めに行うことをオススメします。

 

離婚時の取り決めに注意

離婚の際に、様々な取り決めを行うのが一般的ですが、その際に「慰謝料の請求はしない」旨の合意がなされていると、後になって「やっぱり慰謝料を請求したい」という主張は認められません。
離婚の際の合意事項は、後に争いを蒸し返さないための取り決めなため、原則として、それを覆すことはできません。

ただ、離婚後に浮気が発覚したような場合には、合意に至る前提条件に相違があるとして、請求できるケースもあり得ます。また、仮に元配偶者には離婚時の取り決めにより慰謝料を請求できなかったとしても、浮気相手には慰謝料を請求することは可能です。

 

離婚後の慰謝料請求には確固たる証拠が必要

これから離婚するという段階では、「離婚」という達成すべき共通の目標があるため、たとえ離婚についての責任の所在が曖昧であったり、離婚原因を証明する証拠が不確かであったとしても、「慰謝料を支払うことで納得してくれるなら、それで離婚しよう」というように、お互いが歩み寄り協議が進むケースが多々あります。

しかし、既に離婚が成立した後となっては、慰謝料を請求された側からすれば、何も得るものはなく、純粋に出費が増えるだけなので、明確な証拠等がなければ、支払を拒みたくなるのが心情です。

そのため、離婚後に慰謝料請求をする場合には、明確に離婚原因を特定し、相手に有責性のあることを証拠によって証明する必要のあるケースが多くなります。

また、例えば、不倫などの証拠は、相手と一緒に暮らしている際には、相手の身の回りの物や言動などから、その証拠などを集めやすいのですが、離婚によって別々に暮らすことによって物理的に相手の状況を把握することが困難になるため、証拠収集も難しくなります。

 

離婚後の慰謝料請求で困った際には弁護士に相談

離婚後の慰謝料請求は、解説のとおり、離婚時に請求するよりもハードルがぐっと高くなります。

複雑な離婚問題や慰謝料問題は、一人で悩まずに、専門の弁護士に相談するのが解決への近道となります。

当事務所では、離婚問題・不倫慰謝料問題に詳しい弁護士が多数在籍しており、皆様のお悩み解決に向けて全力でサポート致します。初回無料にて相談を行っておりますので、お気軽にご相談ください。