第62回離婚弁護士コラム 離婚調停とは?家庭裁判所での手続きとその流れを解説。
離婚調停は、夫婦間の離婚に関するトラブルを解決するための大切な手続きです。裁判に進む前の段階として家庭裁判所で話し合いをおこない、双方が納得できる合意を目指します。
手続きの流れや必要書類、調停中の注意点などをしっかり理解しておくことで、問題なく調停を進めやすくなります。
本記事では、離婚調停の基本的な仕組みから進め方までを解説。これから調停を検討している方はぜひご参考ください。
離婚調停の基礎知識
離婚調停の目的や特徴、そのメリットとデメリットについて解説します。
離婚調停とは?その目的と特徴
離婚調停は、夫婦間の離婚やその条件に関する争いを、裁判に進む前に話し合いで解決するための手続きです。家庭裁判所で調停委員と裁判官が中立的な立場から双方の意見を聴き、合意形成を支援します。
法律上、日本では相手が離婚に応じない場合や条件面で合意できない場合、原則として離婚訴訟の前に離婚調停を経ることが必要です(家事事件手続法257条・調停前置主義)。これは裁判よりも当事者の負担を減らし、円満解決を促すことを目的としています。
離婚調停の大きな特徴は、非公開でおこなわれ、プライバシーが守られる点です。また、当事者同士が直接顔を合わせずに進められるケース「別席調停」もあり、感情的な衝突を避けやすくなります。さらに、調停で成立した合意内容は「調停調書」として文書化され、判決と同じ法的効力を持ちます(ただし、調停調書に基づく強制執行は、相手方が合意内容を履行しない場合に別途申し立てが必要)。
離婚調停のメリットとデメリット
離婚調停は、裁判に比べて柔軟かつ話し合い中心の解決方法として多くのメリットがあります。まず、第三者である裁判官や調停委員が中立的に間に入り、感情的な対立を和らげながら合意形成をサポートしてくれる点が挙げられます。手続きは非公開でおこなわれるため、プライバシーが守られやすいことも大きいです。さらに、裁判よりも費用や期間の負担が比較的軽くなることが多く、当事者の負担を抑えられるのも利点です。
一方、デメリットとしては、調停は話し合いが基本のため、相手方がまったく譲歩しない場合や合意に至らない場合、結局は裁判に進む必要があることが挙げられます。合意までに複数回の期日が設けられることが多く、時間がかかることもあります。場合によっては数か月から半年ほどかかることもあります。
離婚調停の基本的な手続きと進め方
初めて調停を申し立てる方にとっては、必要書類の準備や手続きの流れ、調停中の注意点など不安が多いもの。ここでは、離婚調停の申立てから合意に至るまでの基本的な手続きと進め方を解説します。
離婚調停の必要書類と提出方法
手続きの流れは、離婚調停の申立てを家庭裁判所に提出することから始まります。その際には、いくつかの書類を準備しなければいけません。基本となるのが「調停申立書」で、これには離婚を求める理由や争点となっている事項(親権、養育費、財産分与など)を具体的に記載します。
また、申立人の戸籍謄本(全部事項証明書)も必須です。必要に応じて子どもの戸籍謄本も準備しましょう。相手方の戸籍謄本は通常、裁判所が収集するため申立人による提出は不要です。
任意書類ですが、養育費や財産分与を請求する場合は、収入証明書や財産を証明する資料(預金通帳の写し、不動産登記簿謄本など)を添付すると調停を有利に進めやすくなります。
提出方法は、家庭裁判所の窓口に直接持参するほか、郵送でも可能です。その場合は、申立書の原本に加え、コピーも用意し、切手を貼った返信用封筒を同封するとスムーズです。事前に申立て先の家庭裁判所の受付時間や提出方法を確認しておくといいでしょう。
これらの必要書類を揃え、適切に提出することで、離婚調停の手続きが円滑に始まります。
離婚調停の申し立てから合意までのスケジュール
離婚調停は、最初の期日から合意に至るまで、一般的に数か月程度かかるケースが多いです。申立て後、家庭裁判所から日程の通知が届き、第一回の調停がおこなわれます。この場では、双方の話を聞き、争点の確認や今後の進め方を決める場となります。
その後、調停は1回につき1~2時間程度で、1~2か月おきに複数回おこなわれることが一般的です。調停委員や裁判官は、話し合いを重ねながら双方の意見を調整し、合意に向けてサポートします。場合によっては、専門家の意見聴取や書面のやりとりがおこなわれることもあります。
上記の期間や回数はあくまで目安です。時間のかかり方はケースによって大きく異なりますし、裁判所の運用や当事者の対応次第でも変わります。
合意に達すると、調停調書が作成されます。それに至らない場合は不成立になり、離婚訴訟へと移行することがあります。
このように、初回調停から合意までには段階的な話し合いと時間が必要であるため、焦らずに臨むことが大切です。
調停中に注意すべき行動
離婚調停は、当事者同士の話し合いを円滑に進めるための重要な場です。調停中には以下のポイントに注意することが、スムーズな解決につながります。
まず、感情的な言動を控え、冷静かつ礼儀正しく対応することが大切です。調停委員や裁判官は中立の立場で話を聞いているため、感情的な態度は逆効果になることがあります。
調停で話し合った内容や相手方との連絡は正確に記録し、後のトラブルを避けるために証拠として保管しておくことをおすすめします。ただし、調停の手続きは非公開で進むため、第三者への内容漏洩はプライバシー侵害や信用毀損につながる恐れがあるため十分注意してください。
調停中の無断欠席は、相手方に有利に働く場合があるため、やむを得ず欠席する場合は必ず事前に裁判所へ連絡しましょう。
さらに、調停外の合意も契約として法的効力を持つことがあるため、連絡や交渉は慎重におこないましょう。調停外での合意が後の紛争の原因となりうるので、記録を残し、可能なら弁護士等専門家に相談の上おこなうと安心です。
これらの注意点を守ることで、調停を有利に進めやすくなり、離婚問題の早期解決につながります。
離婚調停後の流れと注意点
離婚調停が成立し、調停調書が作成された後は、その内容に基づいて離婚の手続きが進みます。この調書は裁判の判決と同様の法的効力を持つため、養育費の支払いや親権の行使など、合意内容は厳守されます。
第一におこなうのは、市区町村役場への離婚届の提出です (当事者双方の署名・押印が必須)。その際、一緒に調停調書も添付します。これらが受理されることで、法的に離婚が成立します。
調停後に約束が守られないケースもあるため、支払いが滞った場合などは早めに専門家へ相談することが重要です。合意内容の変更を希望する場合は、再度家庭裁判所での手続きを検討する必要があります。
離婚調停後も、子どもの養育や生活面でトラブルが起きやすいため、冷静な対応と適切なサポートを受けることが円滑な生活再建につながります。
おわりに:離婚調停を成功させるために
離婚調停は、夫婦間の問題を裁判に進む前に話し合いで解決するための大切な制度です。手続きの流れや必要書類、調停中のポイントをしっかり把握することで、滞りない形で進めやすくなります。
また、調停後も合意内容の履行や生活再建に向けたサポートが必要になる場合があります。不安な点がある場合や手続きに迷った際は、専門家に相談することをおすすめします。今回の内容を参考に、適切な準備と対応を心がけましょう。
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