第19回離婚弁護士コラム 離婚の際によく話題となる解決金とは何か?
いざ離婚となると、離婚後の生活のための資金や子の養育費の問題など、お金の問題は常につきまとうものです。今回のコラムでは、離婚の際によく話題となる解決金とは何かついて解説したいと思います。
離婚における解決金とは
離婚の際には、慰謝料、財産分与、養育費、婚姻費用分担など、お金にまつわる様々な用語が登場しますが、解決金とは一体なんなのでしょうか。
離婚における解決金とは、その名の通り、離婚に関する問題を解決するために支払われるお金のことをいいます。
慰謝料は精神的苦痛に対する賠償のためのお金、養育費は子どもの養育のためのお金など、それらは用途や支払われる目的が法律上定まってますが、解決金は法律上特に規定があるわけではないので、明確な目的があるわけではなく、また、法律上の規定がない以上、それを支払う義務が当然に発生するものでもありません。
離婚というものは、相手が素直に応じてくれない場合には、なかなか話が進まない性質の問題なのですが、解決金を支払うことによって相手に離婚に応じてもらい、手続きを円滑に進めるために支払われるのが一般的です。
「手切れ金」や「和解金」という言葉もありますが、解決金と同義で使われることが多く、いずれも法律上の明確な根拠があるわけではありません。
離婚解決金を支払うメリット
解決金を支払うメリットは、離婚に応じてくれない相手に、離婚に応じてもらいやすくなるという点です。離婚慰謝料などとは異なり、解決金は法律上の根拠に基づくものではないため、特別支払う必要のないお金を支払うことになりますので、相手に受け入れてもらいやすい性質があります。
また、「慰謝料を支払う」となると支払う側に非があることを暗に含むため、解決金名目で慰謝料を金額を上乗せして支払うといったケースもあります。立場や世間体を守りつつ、交渉をスムーズに進め、離婚問題の早期解決を図るためのお金が離婚解決金と言えます。
離婚解決金を支払う際の注意点
離婚解決金は便利な反面、その支払には注意すべき点もあります。
後に争いを蒸し返さないために離婚協議書を作成する
解決金は、法律上支払う必要のあるお金ではないため、後日、慰謝料などの他の名目で、金銭を請求されてしまう危険性があります。そのような危険性を回避するために、離婚協議書を作成し、離婚に関する問題は全て解決したことを確認する、いわゆる清算条項を盛り込むことが重要になります。
高額な解決金には税金がかかる
法律の規定に基づく慰謝料や財産分与は原則として非課税となりますが、解決金は単なる贈与と解釈されるなど、額や性質によっては課税対象となることがありますので注意が必要です。
離婚解決金を支払う前に弁護士に相談
相手が離婚に応じてくれないなどでお困りの方は、弁護士に相談するのもひとつの手段となります。弁護士のアドバイスをもとに交渉したり、弁護士に対応を任せることによって、離婚交渉が早くスムーズに進む場合があります。また、解決金にはいわゆる相場がないことから、相手の過度の要求に従ってしまう危険性もあります。当事務所では、離婚問題に強い弁護士が、離婚交渉のポイントや実際に解決金を用いて交渉する際のポイントなどをわかりやすく丁寧にアドバイスいたします。初回無料にて離婚問題の相談も受けておりますので、お気軽にご相談ください。