札幌でも増加中!?コロナ離婚の前に知っておくべき養育費について(その2)

前回のコラムに引き続き、ここ札幌でも増加しているコロナ離婚を決める前に知っておくべき養育費について、弁護士目線でお伝えしていきます。既に離婚されている方でも、コロナの影響に関連して養育費の額の変更をしたいとお考えの方に参考になればと思います。

 

養育費の額はどうやって決めるのか

基本的には、夫婦同士で話し合っていただき、合意を取れた額が養育費となります。ただし、夫婦関係が悪化し話し合いだけで額の合意までいかないこともあります。

合意で養育費の額が決まらないときは、家庭裁判所に調停を申し立てることができます。もしくは、離婚調停内で養育費の額の話し合いが行われます。

家庭裁判所の実務では、「養育費算定表(https://www.courts.go.jp/toukei_siryou/siryo/H30shihou_houkoku/index.html)」が参考として使われ、夫婦それぞれの年収、こどもの年齢及び人数をもとに養育費を算定して、原則、話し合いをベースに額を定めていきます。

また、日常的にかかる教育費などは算定表において考慮されているのですが、こどもの進学費用や入院費用について、特別の出費がある場合は、養育費とは別に別途定めることもできます。

 

養育費を受け取れる期間はいつまでなのか

こちらも、夫婦間での話し合いの合意により定められるのが原則ですが、こどもが成人となるまでとするケースや大学に進学した場合は、22歳の3月までとするケースが多いと思われます。

他方、民法改正の影響で、18歳を成人とするのか、20歳を成人とするのか問題となりますが、現在の家庭裁判所の実務では原則、20歳をベースとして、考えていますので、相手が納得しなければ20歳までと判断される可能性が高いと考えられます。

受給期間中に両親の生活状況、経済状況が変わると、決めた養育費の金額が不相当となる場合もあります。

たとえばどちらかの親の転職により収入が大きく変化したり、再婚などにより家計に大きく影響がでたり、といった状況がおきれば、養育費の額を再度検討した方がいいでしょう。

 

養育費を請求できる期間はいつまでなのか

あわただしく離婚をしてしまい、あとから養育費について話し合うのを忘れていることに気付いた、ということもあるかと思います。そういう場合でも養育費の請求については、離婚後いつでも可能とされています。

離婚後に養育費を請求する場合もまずは話し合いが基本となります。話し合いで合意ができない場合は、家庭裁判所に調停を申し立てして請求することなります。

ただし、離婚時に養育費が定められていない場合、過去分に遡って請求することは難しくなってしまい、話し合いで決着がつかない場合は、調停申立時から請求することになる場合が多いでしょう。

また、養育費が定められていても、5年で消滅時効にかかってしまうので、その場合は5年分と将来に向かっての養育費の請求となります。

もし養育費について決めないまま離婚してしまっている場合は、今すぐに弁護士にご相談ください。特にこどもの進学など大きな経済的負担を伴うイベントを控えている場合には、養育費の存在が大きな精神的支えともなるでしょう。

 

当弁護士事務所は札幌において離婚問題を専門に扱ってきております。離婚やその後の養育費でお悩みの方は、当弁護士事務所へお気軽にご相談ください。