第10回離婚弁護士コラム 離婚すると住宅ローンはどうなるのか弁護士が解説

離婚の際には、財産分与という形で、夫婦で築き上げた財産を分けることになりますが、持ち家は高価な財産であることから、特に争いに発展しやすい傾向にあります。今回のコラムでは、離婚の際に気になるマイホームの財産分与やそのローンは誰が支払うのかについて解説したいと思います。

 

離婚すると住宅ローンは誰が支払うのか

通常、マイホームを購入する際に、住宅ローンを契約するのが一般的かと思いますが、離婚する際には、誰が住宅ローンを支払うことになるのでしょうか。

 

名義で判断

基本的に、婚姻関係が継続しているか、解消しているかに関わらず、契約名義で判断することになります。例えばローンの名義が夫名義になっている場合には、離婚後も夫が支払うことになります。

最近ですと、夫婦共同名義でローンを組むことも多く、その場合は、離婚したとしても、名義人双方がローン返済の義務を負うことになります。「離婚したので支払わない」という主張は認められません。

 

住宅ローンの名義変更

住宅ローンの名義で、ローン返済の義務を負うものが決まるのですが、では、名義を変更することはできるのでしょうか。

よく問題になるのが、例えば「夫名義でローンを契約しているけど、離婚後は妻と子が家に住み続けたいので、ローン支払を条件に持ち家を譲り受けたい。」というケースです。当事者間の契約で妻が夫に毎月ローン相当額を払うということも可能ですが、夫としてはローンの名義自体を妻に変えてしまいたいと思うはずです。

しかし、住宅ローンの名義を途中で変更することは困難です。ローン契約は、契約者個人の信用力や収入、資産を総合的に審査して、認められるものなので、名義が変わってしまうと信用力等が全く別物になってしまうためです。

そのため、どうしても名義を変更したいという場合には、名義を譲り受けたいと考えているものが、別途住宅ローン契約をし、現在のローンを一括返済するという方式いわゆる、借り換えの方法をとることになります。

 

ローンの名義人がそのまま持ち家に住み続ける場合の注意

ローンの名義人が離婚後も、持ち家に住み続ける場合には、特に問題はなさそうに見えますが、注意したいのが、連帯保証契約の名義人です。

例えば、住宅ローンの名義人が夫で、連帯保証人として、妻の親などが保証契約をしている場合などです。離婚後には、他人となってしまうので、万が一ローンの返済が滞った場合などには、無用なトラブルを招く危険性があります。連帯保証人も信用力を高める要素として、ローン審査を通すかどうかの判断要素になるため、連帯保証人の変更を認めるかどうかは金融機関の判断次第になります。

 

離婚時にマイホームを売却

マイホームは、その購入時には、夫婦で生活することを前提に考えており、また、どちらか一方が住み続けるとしても前述のようにローンの問題から手続きが複雑になりがちです。そのため、離婚時に、マイホームを売却するという選択をされる夫婦が多くなります。

 

離婚問題にも不動産にも強い弁護士に相談

離婚の際に、マイホームの売却やローンをどうするのかでお悩みの方は、離婚問題のみならず不動産にも強い弁護士に相談することをおすすめします。

当事務所では、司法書士として長年不動産実務を取り扱ってきた実績のある弁護士が在籍しており、離婚問題のみならず、不動産実務にも精通しております。離婚後の新しい生活のスタートをスムーズに進めるために、離婚問題からマイホームに関する財産分与までトータルサポートいたします。